サルボ両備が経営する人気のラーメン店、「瀬戸内シヲソバ3.5」。
こちらの看板メニューである瀬戸内シヲソバ、その開発段階から中心的存在としてプロジェクトを牽引してこられた、株式会社冨士麺ず工房の代表取締役・波夛悠也さんにお話を伺いました。
「麺」から始まった唯一無二のラーメンづくり。
岡山に拠点を置く両備グループとして、瀬戸内という土地柄を活かした、他にはない唯一無二のラーメンを作りたい。そんな思いが、冨士麺ず工房との今回のコラボレーションのきっかけでした。冨士麺ず工房といえば、岡山の飲食業界では中華麺のシェアNo.1。新たにラーメン店を立ち上げにあたって、冨士麺ず工房とのパートナーシップは絶対に欠かすことのできないファクターだったといえます。まず手始めに取り組んだのは、どんなラーメンを作るのかというコンセプトづくり。「弊社としても、コンセプト段階から全面的に参画するというのは、過去に前例のないものでした。それだけに、私自身にとっても大きなチャレンジでしたね」と、プロジェクト立ち上げ当初を振り返って波夛さんは語ります。
麺づくりのキーワードは、「不均質」。
まず取り組んだのはコンセプトづくり。最初は、岡山の食材限定でという方向性もあったそうですが、それを「瀬戸内」という視点にすることでグッと幅が広がりました。
麺・スープ・具材、それぞれについての試作は、約1年間にわたって繰り返し行われたそうです。
鶏ガラスープと豚骨スープ、そして返(かえし)のバランスを試行錯誤しながら磨き上げていくのと並行して、そのスープに合わせた麺づくりも試作を重ねました。
麺づくりの中でいちばんこだわったポイントは「不均質」と波夛さん。「瀬戸内シヲソバの麺はストレートの細麺なんですが、そのシンプルな麺に多様性を持たせたかったんです。
食べ始めは麺の食感、コシや歯切れをしっかり感じ取っていただき、中盤から後半にかけては麺がスープを吸うことで小麦の風味とスープの味わいの一体感を楽しんでいただく。そんな麺をめざしました」
完成したのは、これまでのラーメンを超えた一杯。
一杯のラーメンを食べていく中で、時間の経過とともに食感や味わいが変化していくことで、飽きることなく食べきってしまう。そんな緻密な計算を経て、麺がつくられていることに驚きました。
波夛さんは、今回のメニュー開発は「ないものをつくるための挑戦でした」とおっしゃいます。
すでにあるどこかのラーメンを目標にするのではなく、手探りの中で意見を交換しながら、ゼロから新しいものを創造するのはたくさんの苦労があったはず。
その甲斐あって、「他では味わうことができないような、唯一無二の一杯になりました」と、誇らしげに語る波夛さん。トッピングのオリーブやレモンにも、瀬戸内の名を冠したラーメンならではのオリジナリティが感じられます。
「岡山に瀬戸内シヲソバあり」と言える自慢の一杯、ぜひ皆さんも一度召し上がってみてください。